自動巻きの腕時計を複数持っている人や、長期間使用しない場合、いざ使うときは時計が止まっています。

ゼンマイを巻いて、時刻を合わせればいいのですが、面倒ですよね。
それに機械式の腕時計は止まっているという状態は腕時計にとって良くない状態なんです。

と言うのは、腕時計は歯車が動いて時刻を刻んでいるのですが、歯車の動きをスムーズにするために中には潤滑油が入っています。
その潤滑油は長時間動かずに放置してあると固くなったり、潤滑油が偏って潤滑油の効いているところと効いていないところが出来てしまいます。
腕時計は非常に繊細な機械の集まりなので、潤滑油の硬化や偏りが出来ると、歯車に負担をかけることになり、最悪の場合は故障などのトラブルにつながります。

トラブルを防ぐには、定期的にゼンマイを巻いて、常に動いているようにすれば良いのですが、毎日ゼンマイを巻くと言うのは面倒ですし、本数が増えてくるとそれなりに大変な作業になります。

そこでお勧めしたいのが、「ワインディングマシーン」と言う装置です。

 

 

ワインディングマシーンとは

ワインディングマシーンとは、自動巻きの腕時計を腕に装着せずに巻くことが出来る機械の名称です。

2005年頃から自動巻き腕時計の巻き上げ用アイテムとして世界中で販売されるようになった製品です。
発売当初は、
・音がうるさい
・ゼンマイが巻けない
と言うトラブルもあったようですが、今は製品の品質も向上し、静かで、ほとんどの腕時計に対応できるようになっています。

 

ワインディングマシーンの仕組み

ワインディングマシーンは、自動巻きの腕時計を、モーターの力で、回転させたりスイングさせたりすることで、自動巻きムーブメントを動かしてゼンマイを巻きます。

 

上の写真は、回転式のワインディングマシーンで、腕時計を4本装着するタイプです。
丸いプレートに取り付けた腕時計を、ゆっくりと回転させることでゼンマイを巻いていきます。

腕時計のメーカーによって、巻き上げる方向が決まっています。
・右回り:腕時計本体が時計回りに動いたときのみ巻き上げる
・左回り:腕時計本体が反時計回りに動いたときのみ巻き上げる
・両方向:腕時計本体がどちらの方向に動いても巻き上げる

右回りの腕時計は、左回りに回転させてもゼンマイは巻かれませんし、左回りの腕時計は右回りではゼンマイは巻かれません。
両方向に対応している腕時計はどちらの方向に回転させてもゼンマイを巻いてくれます。

ロレックスや、ブライトは両方向の巻き上げに対応しています。
パテック・フィリップ、オメガ、ブルガリなどは、片方向の巻き上げになります。

多くのワインディングマシーンはどんなメーカーの腕時計にも対応できるよう、回転の設定が出来るようになっています。
・右回転に固定
・左回転に固定
・左右に自動変更

私が使用しているワインディングマシーンは以下のような設定になっています。
1.右回転(3時間)⇒停止(6時間)の繰り返し
2.左回転(3時間)⇒停止(6時間)の繰り返し
3.右回転(15分)⇒左回転(15分)を3時間繰り返し⇒停止(6時間)の繰り返し

 

回転式以外のワインディングマシーン

多くのワインディングマシーンは回転式を採用していますが、スイング式と呼ばれる方式のワインディングマシーンも存在しています。

時のゆりかご

回転式が左右に回転してゼンマイを巻くのに対して、時のゆりかごは前後に揺れる事でゼンマイを巻きます。
動き方が赤ちゃんが寝ているゆりかごに似ていることから「時のゆりかご」と言う名前になりました。

スパルタ

スパルタ方式は、左右に回転してゼンマイを巻くのは回転式と同じですが、左右に激しく揺らすことでゼンマイを巻きます。
(通常の回転式は30秒くらいで1回転するのに対して、スパルタ方式は1秒間に2回くらい左右に揺らします)

 

自動巻き以外の腕時計

キネティック

セイコーが販売している腕時計に、「キネティック(旧名:AGS)」と言う腕時計があります。
これは、自動巻きムーブメントと似たローターと歯車を使用して腕時計を動かす事で発電する仕組みの腕時計です。
腕を動かす事で発電できるのですが、回転式のワインディングマシーンでは発電できないので注意が必要です。

回転式や時のゆりかご方式のワインディングマシーンではキネティックの発電に必要な回転スピードに達していないためです。
スパルタ方式のワインディングマシーンは、動きが速いためキネティックも充電可能です。

スプリングドライブ

スプリングドライブも、セイコーが開発した、水晶振動子とゼンマイを使用してクオーツ並みの精度と、発電機能を備えた腕時計です。
回転式、時のゆりかご、スパルタ方式、全てのワインディングマシーンで巻き上げが可能です。

 

お勧めのワインディングマシーン

方式としては、コストパフォーマンスやバリエーションを考えると回転式がお勧めです。
所有している腕時計の数や、設置するインテリアに合わせて色々な商品が販売されています。

中には動作音が大きい製品もあるようなので、マブチモーターを使用している製品を選べば間違いがないと思います。
現在は1本しか腕時計を所有していないと言う人も、2本収納以上の製品をお勧めします。

下にお勧めのワインディングマシーンを紹介していますので、参考にしていただければと思います。

 

私が使用しているワインディングマシーンの後継機です。
(3年前に同社のワインディングマシーンを購入し、現在まで使用していますが、たいへん静かで特に故障もなく動いています。)
最新モデルでは、左右別々に回転設定が出来るようになっています。


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