世界一薄い自動巻き腕時計や、世界一薄い手巻き腕時計を紹介してきましたが、今回の世界一は、世界一多機能な機械式腕時計を紹介します。
Patek Philippe ref.6300G
スマートウォッチと言う多機能な腕時計があります。
腕時計の機能の数で言えばスマートウォッチはほぼ無限大に機能を付けることが可能で、機械式腕時計では太刀打ちできません。
しかし、機械式腕時計にも大変多くの機能を持った腕時計が存在しています。
その中でも、頂点に立っているのが「Patek Philippe(パテック・フィリップ)」の、ref.6300Gです。
時計業界の頂点に立っている、「Patek Philippe」が本気を出して作った腕時計が、「Ref.6300G」です。
Patek Philippeとは
Patek Philippeをご存知でない方にメーカの説明をしておきます。
パテック・フィリップ(Patek Philippe)は、スイスに本拠地をもつ高級時計メーカーです。
1839年に2人のポーランド人アントニ・パテックとフランチシェック・チャペックによって創業されました。
ヴァシュロン・コンスタンタン、オーデマ・ピゲとともに世界三大高級時計メーカーの一つとして数えられます。
どんなに古い自社時計でも修理する「永久修理」を宣言しているため、「パテックフィリップの腕時計は代々使える」と言うブランドイメージを作っていますが、古いモデルの修理は部品の調達が難しいため、修理代が大変高価になることもあります。
時には、購入価格よりも修理代が高額になることもあるそうです。
パテックフィリップのユーザは、ヴィクトリア女王、アインシュタイン、ワーグナー、チャイコフスキー、トルストイなど歴史的な著名人が名を連ねています。
特に1851年に、英国ヴィクトリア女王がブローチ型懐中時計を購入したことにより、パテック・フィリップの名声が一躍広まったそうです。
また、ブラットピットもパテックフィリップのコレクターであることが知られています
Ref.6300Gの機能
まずは、どれくらいの機能が付いているかを紹介しましょう。
・チャイムによるアラーム機能
「サイレント、グランドソヌリ、プティットソヌリ」の3種類から選べます
・ミニットリピーター
ボタンを押すと、時刻を音で知らせてくれる機能
・デイトリピーター
ボタンを押すと、日付を音で知らせてくれる機能
・瞬時日送り式永久カレンダー
2,4,6,9,11月の日付補正のみならず、閏年補正も自動的に行われます。
・ムーブメントパワーリザーブ表示
時計の時刻表示のゼンマイ巻き上げ状況表示です。
・チャイム機構パワーリザーブ表示
チャイム機能のゼンマイ巻き上げ状況表示です。
・ムーンフェイズ
月齢表示機能です。
・チャイム機構ON/OFF表示
・第2タイムゾーン
・第2タイムゾーン昼夜表示
・曜日表示
・月表示
・日付表示
・閏年表示
・西暦表示
・24時間時・分表示
主な機能だけで上のような機能が付いています。
アラーム機能の音は、ベルのような音色で、腕時計の音とは思えない澄んだ美しい音色です。
クオーツの腕時計ならアラームやカレンダー機能を備えていても特に不思議はありませんし、永久カレンダーとアラーム機能を持っているクオーツの腕時計は沢山販売されています。
しかし、パテック・フィリップのRef.6300は機械式腕時計です。
ゼンマイと歯車の組み合わせだけで、アラームや永久カレンダーの機能を作っているのです。
機能が増えると、部品点数が増えます。
部品点数が増えると本体が大きくなります。
増えた部品を腕時計のサイズに納めるには、一つ一つの部品を小さくする必要があります。
部品を小さくするには高い加工精度が必要になり、小さな部品を組み立てるには、高い組み立て技術が必要になります。
まさに、時計職人の技術の結晶の腕時計ですね。
基本情報
ムーブメント:手巻
防水機構:なし(湿気・埃のみ対処)
ケース径:47.4mm
ケース厚:10.7mm
文字盤カラー:エボニーブラック・オパーリン/ホワイトゴールド(リバーシブル)Ref.6300Gの前身となる、「グランドマスター・チャイム5175モデルは、2014年にパテック・フィリップ創業175周年を記念して発表されました。
このマスターピースが、マニファクチュールパテック・フィリップ初のグランドソヌリを搭載した腕時計、6300モデルとして、現行コレクションに加わりました。
20の複雑機能を統合したこのモデルは、ホワイトゴールドのリバーシブルケースに、世界初の2つの機能を含む5つのチャイム機構が搭載されています。
(Patek Philippe 公式ホームページより引用)
表面は黒、裏面は白のリバーシブルの腕時計です。
腕時計でリバーシブルと言うのは初めて聞きました(笑)
表面の主な機能は、
・時計
・アラーム
・パワーリザーブ表示
・カレンダー(日付)
・月齢
です。
裏面の主な表示は、
・時計
・カレンダー(西暦年月日、曜日)
です。
表裏の切り替えは、腕時計本体を左右に回転させて切り替えます。
以上が世界一多機能な腕時計と言われている、Patek PhilippeのRef.6300Gの説明ですが、お値段も気になりますよね。
Ref.6300Gの価格は正式には公表されていません。
販売形態も受注販売なので、店頭で見かけることもほぼないと思います。
だいたいの価格を想定すると、このモデルのベースになった、Ref.5175は「250万スイスフラン(日本円で約3億円)」でした。
Ref.5175は限定モデルなので、プレミアムが付いているため、それよりは安いと思われます。
恐らく、2億円~2億5000万円くらいかと思われます。
この価格は、宝石が付いていない市販腕時計では世界一高価な腕時計になります。
世界一多機能な腕時計は、世界一高価な腕時計と言う事になりますね。