人類はなぜ進化し、高度な文明を作る事ができたのか?

第3回 道具の発明

地味に連載している人類の進化ですが、第3回は、「道具の発明」について考えてみましょう。

過去の連載は、こちらからどうぞ
第1回 言葉の発明
第2回 文字の発明

それでは今回のテーマ、「道具の発明」について考えていきましょう。

人類の進化に、言葉や文字が大きく影響していたと書きましたが、言葉や文字の発達に並行して、道具の発明がありました。
最初は狩りをしたり、木の実を採ったりするのは全て人力で行っていました。

狩りは全て人力で捕まえる事のできる動物が対象でした。
人間が道具もなしに捕まえる事の出来る動物なので、小動物で、大人しく、動きの遅い動物だったと思われます。

最初は小動物のみを狩っていれば問題なかったと思われますが、人口が増えていくと小動物だけでは食料が足りなくなります。
しかし、大きな動物や動きの速い動物を狩るのは容易ではありません。
特に大きな動物や獰猛な動物は、狩りをする人間が逆に襲われるというリスクも発生します。

通常の自然界では、小動物が減るとそれを食料にしている動物も減り、小動物が増えるとそれを食料にしている動物も増えるというバランスが保たれています。
中には何万年もかけて、体を大きくしたり、動きを俊敏にするなどの進化を遂げる動物もいます。

しかし人類は、その進化をも道具を使うことで飛び越えて行きました。
道具を使うことで俊敏さや体格のハンデを克服したのです。

 

武器の発明

最初は離れたところから石を投げて攻撃したり、長い木の枝を使って離れたところから攻撃したと思われます。
猿やゴリラも石を投げる事はありますが、人類は石を単独で使うのではなく、石が当たって弱った動物を棒で叩いてとどめを刺すなど、複数の道具を組み合わせるようになります。

また、木の枝も先の尖った枝を使ったり、丈夫な枝を使うなど、道具の見直しも行っていきます。
最初は木の枝で叩くだけでしたが、先の尖った木の枝を手に入れると、獲物に向かって突くと言う動作もするようになります。
先の尖った石も効果的だと知ると、枝の先に石をくくりつけたり、石をナイフのように使うようになりました。

石をナイフ代わり使る事で、今までは硬くて食べられなかった動物の肉も食べられるようになります。

人類は木の枝を狩りに使うことで、長い腕や鋭い爪を得るのと同じ事が出来るようになりました。
石を狩りに使うことで、俊敏な動きを手に入れるのと同じ事が出来るようになりました。

木の枝は、高い所の木の実を採るのにも役立ちます。
猿のように木登りが出来なくても、木の枝で突いて実を落とすことができます。
キリンのように長い首がなくても、高い枝に実った木の実を食べる事が出来るようになったのです。

石も、ナイフや槍以外の使いみちが出来ました。
硬い木の実を割ったり摺り潰したりすることに使われるようになったのです。

 

食生活の変化

色々な道具が出来たことで、人類の食生活は大きな変化が起こります。
いままで今までは狩りの対象にならなかった動物や、今までは食べられなかった木の実が食べられるようになったことで、飢える可能性が少なくなります。
飢える可能性が低いので、集団生活を送るようになります。
集団生活は、狩りや木の実の確保の分業が出来るので、ますます食料確保が容易になり、人類は増えていくのでした。